NVIDIA決算は過去最高級の強さ。それでも株価は翌々日に4.6%下落|MicrosoftなどAI株への影響も整理

企業分析

2026年8月26日、NVIDIAが2027年度第2四半期(Q2 FY2027)の決算を発表しました。

売上高は前年同期比で2倍を超え、主力のデータセンター事業も大幅な成長を記録しました。

決算翌日の8月27日にはNVIDIA株が8.7%上昇しましたが、その翌28日には217.55ドルまで下落し、前日比4.57%安となりました。

つまり今回は、

好決算=そのまま株価が上がり続けた

という単純な動きではありません。

この記事では、

・NVIDIAの最新決算
・市場予想を上回ったポイント
・決算翌日に株価が急騰した理由
・その翌日に4.57%下落した背景
・MicrosoftなどAI関連企業への影響
・今後確認したいリスク

を整理します。

※本記事は2026年8月30日時点で確認できる公開情報をもとに作成しています。

NVIDIAの2027年度Q2決算

まず主要な数字を確認します。

売上高

NVIDIAの2027年度第2四半期の売上高は、

962億2,000万ドル

でした。

前年同期比では**+106%、前四半期比では+18%**です。

前年同期から売上高が2倍以上となり、非常に高い成長率を維持しました。

1株利益(EPS)

GAAPベースの希薄化後EPSは、

2.46ドル

Non-GAAPベースでは、

2.22ドル

となりました。

NVIDIAの利益も売上高の拡大に伴って大きく成長しています。

データセンター売上は890億ドル

今回の決算で特に重要だったのが、AI向けGPUなどを含むデータセンター事業です。

データセンター売上高は、

890億ドル

前年同期比:+117%
前四半期比:+18%

となりました。

NVIDIA全体の売上高962億ドルの大部分をデータセンター事業が占めています。

今回の数字を見る限り、AI向け計算インフラへの需要は依然として大きいことが確認できます。

NVIDIAは次世代プラットフォーム「Vera Rubin」についても、本格生産への移行が進んでいると発表しています。

Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure、CoreWeaveなどのパートナーでラックが稼働していることも明らかにされています。

次の四半期は売上1,080億ドルを予想

NVIDIAは2027年度第3四半期について、

売上高1,080億ドル±2%

という見通しを示しました。

さらに重要なのが、この予想には、

中国向けData Center Computeの売上を織り込んでいない

という点です。

米中間の半導体輸出規制など、中国市場については依然として不透明な部分があります。

そのため今後の業績を見る際には、中国市場の動向も継続して確認する必要があります。

粗利益率はやや低下する見通し

第2四半期のGAAP・Non-GAAP粗利益率はともに、

75.0%

でした。

一方、第3四半期については、

74.0%±0.5ポイント

を見込んでいます。

売上高は引き続き大きく成長する予想ですが、利益率については若干低下する見通しです。

AI向け半導体では高性能メモリーなどの供給制約やコスト上昇も存在します。

そのため今後は、

「どれだけ売上が増えたか」だけでなく、「どれだけ利益を残せるか」

も重要になってきます。

決算発表直後は株価の反応が限定的だった

今回の決算内容は非常に強いものでした。

しかし、発表直後のNVIDIA株は一時的に下落する場面もありました。

理由の一つとして考えられるのが、

NVIDIAに対する市場の期待値がすでに非常に高かったこと

です。

NVIDIAはこれまで何度も市場予想を上回る決算を発表してきました。

そのため現在のNVIDIAでは、

「予想を上回った」

だけでは十分なサプライズにならない場合があります。

これは株式投資を考えるうえで非常に重要なポイントです。

企業の決算が良いか悪いかだけでなく、

市場が事前にどこまで期待していたか

によって株価の反応は変わります。

流れを変えた「次年度+70%成長」という見通し

その後、市場が特に評価したのがNVIDIAの中長期的な成長見通しでした。

NVIDIAは、2028年1月期にあたる次年度の売上高について、

約70%増加するとの見通し

を示しました。

市場ではAIデータセンターへの巨額投資について、

「AI投資はピークを迎えるのではないか」

「設備投資が大きすぎるのではないか」

といった懸念もあります。

その中でNVIDIAが高い成長見通しを示したことで、

AIインフラ需要が少なくとも現時点では急速に失速していない

という見方が強まりました。

決算翌日のNVIDIA株は8.7%上昇

8月27日のNVIDIA株は、

前日比+8.7%

となり、227.98ドルで取引を終えました。

同日のNASDAQ総合指数も約1.6%上昇しました。

NVIDIAの強い成長見通しを受け、AI・テクノロジー関連株全体にも買いが広がった形です。

ここだけを見ると、

「好決算を市場が素直に評価した」

と考えることもできます。

しかし、今回の動きで重要なのはその翌日です。

翌28日は一転して4.57%下落

8月28日のNVIDIA株は、

217.55ドル

で取引を終えました。

前日比では、

-10.43ドル
-4.57%

です。

前日の8.7%上昇から一転し、上昇分の一部を失う動きとなりました。

今回の下落については、

NVIDIAの決算内容が突然悪化したわけではありません。

8月28日は米国株市場全体でハイテク株が弱くなりました。

背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)のKevin Warsh議長によるジャクソンホールでの発言を受け、市場で利上げへの警戒が強まったことがあります。

米国の短期金利が上昇し、NASDAQ総合指数も下落しました。

高い成長期待を織り込んでいるテクノロジー株は、一般に金利上昇局面で売られやすくなる場合があります。

そのため今回の4.57%下落については、

NVIDIA固有の悪材料だけで説明するのではなく、金利や米国株全体の地合いも合わせて見る必要があります。

好決算でも株価は一直線には上がらない

今回のNVIDIAは非常に分かりやすい例になりました。

決算発表
↓
強い業績と成長見通し
↓
8月27日 +8.7%
↓
翌28日 -4.57%

という動きです。

つまり、

「決算が良かったから株価は上がる」

という単純な関係ではありません。

株価には、

・企業業績
・市場予想との比較
・事前の期待値
・金利
・市場全体の地合い
・投資家のポジション

など、さまざまな要素が影響します。

今回のように好決算の翌日に大きく上昇しても、その翌日に外部要因によって下落することがあります。

MicrosoftなどAI関連企業への影響は?

今回のNVIDIA決算を見るうえで、もう一つ重要なのが、

MicrosoftなどAI関連企業への影響

です。

NVIDIAはAI向けGPUを供給しています。

一方、MicrosoftはAzureなどを通じて、大規模なAIインフラを構築しています。

NVIDIAのデータセンター売上が前年同期比117%増となったことは、

AI向けデータセンター投資が依然として活発であることを示す一つの材料

と考えられます。

そのため市場では、

NVIDIAの強い決算
↓
AIインフラ需要への安心感
↓
AI関連企業への投資継続期待
↓
Microsoftなどクラウド企業にもプラス材料

という形で評価が波及する可能性があります。

ただし「NVIDIA好決算=Microsoft上昇」とは言えない

ここは特に注意が必要です。

Microsoftの株価は、

・Microsoft自身の業績
・Azureの成長率
・AI投資額
・金利
・米国株全体の地合い
・市場の期待値

など複数の要因で動きます。

そのため、

「NVIDIAが好決算だったからMicrosoftが上昇した」

と単純に断定することはできません。

今回のNVIDIA決算によって、

AI投資に対する市場心理が改善した可能性がある

と捉える方が適切です。

NVIDIA決算が示したAI市場の現在地

今回の決算から確認できる最も大きなポイントは、

AIインフラ需要が現時点では非常に強い

ということです。

売上高は前年同期比106%増。

データセンター売上は117%増。

さらに次四半期の売上高についても1,080億ドルを見込んでいます。

一方で、強い数字だけを見て将来まで同じ成長が続くと考えるのは注意が必要です。

今後確認したい4つのポイント

① AI設備投資は継続するのか

Microsoft、Alphabet、Amazon、MetaなどはAIデータセンターに巨額の投資を行っています。

現時点ではその投資がNVIDIAの成長を支えています。

一方で将来的には、AI投資から十分な収益を得られているかがより重要になります。

② 粗利益率

NVIDIAはQ3の粗利益率を74.0%±0.5ポイントと予想しています。

売上が増えても利益率が低下すれば、利益の伸びに影響する可能性があります。

今後は売上高と同時に利益率も確認する必要があります。

③ 中国市場

NVIDIAはQ3の売上見通しに、中国向けData Center Computeの売上を含めていません。

米国の輸出規制を含め、中国市場は引き続き不確定要素です。

④ 金利

今回の8月28日の値動きからも分かるように、NVIDIAの株価は企業業績だけで動くわけではありません。

特に高成長テクノロジー企業は、金利動向によって株価評価が変化する場合があります。

今後もFRBの金融政策や米国債利回りは重要な確認材料になりそうです。

まとめ

NVIDIAの2027年度第2四半期決算は、

売上高962億ドル
前年同期比+106%

という非常に強い内容でした。

データセンター部門も、

890億ドル
前年同期比+117%

と大幅な成長を記録しています。

さらにQ3売上高1,080億ドルの見通しに加え、次年度についても高い成長見通しが示されました。

これを受け、NVIDIA株は8月27日に8.7%上昇しました。

しかし翌28日には、

217.55ドル
前日比-4.57%

まで下落しました。

この下落にはNVIDIA固有の材料だけではなく、FRBの金融政策を巡る警戒や金利上昇など、市場全体の要因も影響したと考えられます。

今回の値動きは、

好決算=株価上昇

ではなく、

業績・期待値・金利・市場環境をセットで確認することの重要性

を示す事例とも言えます。

またNVIDIAの成長は、Microsoftをはじめとするクラウド・AI関連企業を見るうえでも重要な指標の一つです。

今後もNVIDIA単体の株価だけではなく、

AI設備投資の継続性・利益率・中国市場・金利

を合わせて確認していきたいところです。

参考資料

・NVIDIA「NVIDIA Announces Financial Results for Second Quarter Fiscal 2027」2026年8月26日
・NVIDIA Investor Relations
・NVIDIA Form 10-Q(2027年度第2四半期)
・Reuters「Nvidia forecasts 70% sales growth next year, signals AI spending boom has years left to run」
・Reuters「Stock indexes gain as Nvidia boost offsets caution on Fed event」
・Reuters「Global Markets: Stocks fall while dollar, bond yields rise as Warsh prompts rate hike bets」

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