「決算は良かったはずなのに、なぜ株価が下がっているんだろう?」
株式投資を始めてから、僕自身も何度も疑問に思ったことがあります。
売上高が増えている
利益も伸びている
前年同期比では増収増益
それなのに、決算発表後の株価は下落する。
最初の頃は「良い決算なら株価も上がる」と単純に考えていました。
しかし決算を見ていくうちに、株価は決算の数字だけではなく、その数字が市場の期待に対してどうだったかも重要なのではないかと考えるようになりました。
今回は、僕が決算後の株価反応を見るときに意識している5つのポイントを整理します。
1.「前年より良い」だけでは判断しない
まず意識したいのが、
前年同期比で増収・増益だったからといって、必ずしも市場の期待を上回ったとは限らない
という点です。
例えば、ある会社の利益が
前年:100億円
今回:120億円
だったとします。
数字だけを見れば20%の増益なので、良い決算に見えます。
しかし、市場では事前に130億円程度の利益が期待されていたとしたらどうでしょうか。
前年より業績は伸びていても、市場の期待には届いていません。
このように、
「前年との比較」と「市場の期待との比較」は別物
として見る必要があると考えています。
僕も最近は「増収増益」という言葉だけで判断せず、その数字がどの程度期待されていたのかまで確認するようにしています。
2.会社予想と市場コンセンサスを分けて見る
決算を見るときに混同しないようにしているのが、
会社予想と市場コンセンサスの違い
です。
会社予想
会社自身が公表している今後の業績見通しです。
売上高や営業利益、純利益などについて、企業側が見込んでいる数字が示されます。
市場コンセンサス
証券会社などのアナリストによる業績予想を集計した、市場側の予想です。
つまり、
会社予想=企業側の見通し
市場コンセンサス=市場側の期待
と整理できます。
株価を見るうえでは、実績が会社予想に対してどうだったかだけでなく、市場が期待していた数字との比較も重要だと考えています。
ただし、コンセンサスは集計元や更新時点によって数字が異なる場合があります。
そのため僕は、コンセンサスを見るときには「どこが集計した数字なのか」「いつ時点の予想なのか」も確認するようにしています。
3.今回の実績より「これから」が見られることもある
決算発表では、すでに終わった期間の業績だけでなく、今後の業績見通しも重要です。
例えば、今回の四半期決算が好調だったとしても、
- 通期予想が据え置かれた
- 今後の成長について慎重な見通しが示された
- コスト増加が見込まれている
- 利益率の低下が予想されている
といった内容があれば、市場が慎重に受け止める可能性があります。
反対に、足元の数字だけでは目立たなくても、
- 通期予想を上方修正した
- 今後の成長見通しが改善した
- 受注や契約が拡大している
など、将来への期待につながる材料が示されることもあります。
そのため僕は、
「今回いくら稼いだか」だけでなく、「会社がこの先をどう見ているか」
までセットで確認するようにしています。
4.好材料がすでに株価に織り込まれている場合がある
もう一つ難しいのが「織り込み」です。
決算発表前から、
「今回の決算はかなり良さそうだ」
という期待が強くなれば、決算を待たずに株価が上昇することがあります。
そして実際に良い決算が発表されても、市場が事前に期待していた範囲内であれば、大きく上昇しないこともあります。
場合によっては、材料が出たことで利益確定の売りが増え、株価が下落することも考えられます。
ここで大切なのは、
良いニュースが出たかどうかだけではなく、そのニュースがすでにどこまで期待されていたのか
を見ることだと思っています。
決算を見るときには、発表された数字だけではなく、決算前までの株価の動きも確認しておきたいところです。
5.企業の問題なのか、市場全体の問題なのかを分ける
決算発表後に株価が下がると、
「決算が悪かったから下がった」
と考えてしまいがちです。
しかし、株価には企業固有の材料だけでなく、市場全体の動きも影響します。
例えば、
- 金利の変化
- 物価に関する経済指標
- 景気への見方
- 為替の変動
- 株式市場全体の下落
などです。
こうした外部環境が大きく動いている日には、企業の決算とは別の理由で株価が動くこともあります。
そのため僕は、決算後の値動きを見るときに、
個別要因
決算、業績予想、受注、利益率など企業自身に関係するもの
マクロ要因
金利、物価、景気、為替、市場全体の動きなど
の2つに分けて考えるようにしています。
株価が上がった、下がったという結果だけを見るのではなく、なぜその動きになったのかを整理することが、次の決算を見る力につながると考えています。
決算後に僕が確認している順番
ここまでをまとめると、僕は決算発表後に次の順番で確認しています。
- 売上高や利益などの実績
- 前年同期との比較
- 会社予想と実績の関係
- 市場コンセンサスとの比較
- 通期予想や今後の見通し
- 決算発表前までの株価の動き
- 決算後の株価反応
- 個別要因とマクロ要因の切り分け
特に最近意識しているのは、
「決算が良かったか」ではなく、「なぜ市場はこの決算にこの反応をしたのか」
まで考えることです。
この視点を持つようになってから、決算を見る楽しさが少しずつ分かってきました。
まとめ
好決算なのに株価が下がる理由は、一つではありません。
前年より業績が伸びていても、市場の期待に届いていない場合があります。
今回の実績が良くても、今後の見通しが慎重なこともあります。
また、好決算への期待がすでに株価へ織り込まれていたり、市場全体の動きが影響していたりする可能性もあります。
だからこそ僕は、
決算の数字 → 市場の期待 → 今後の見通し → 株価反応
という流れで見るようにしています。
まだ僕自身も勉強中ですが、決算と株価の動きを一つずつ振り返りながら、「市場が何を評価しているのか」を少しずつ理解していきたいと思っています。
前回の記事で紹介した「決算でどこを見るか」とあわせて、今回の「決算後に市場がどう反応したか」まで確認すると、企業を見る視点がさらに広がると思います。
今後は実際の企業の決算も取り上げながら、決算発表前の期待と発表後の株価反応を検証していく予定です。
参考にした主な情報
- 日本取引所グループ「適時開示情報閲覧サービス」
- 日本取引所グループ「適時開示が求められる会社情報」
- 日本取引所グループ「適時開示に関する実務要領」
- 日本取引所グループ「業績予想の修正、予想値と決算値との差異等」
- 金融庁「投資を行っている方へ」
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※本記事は、筆者自身の投資学習の過程や考え方を共有するものであり、特定の金融商品・銘柄の売買を推奨するものではありません
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